「社会福祉施設経営懇話会」及び
「経営者セミナー」「賀詞交換会」

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-障害者自立支援法が経営に与える影響-
 社会福祉法人佑啓会 理事長 里見 吉英 氏

 障害者自立支援法は支援費制度からの移行であるが、急激な制度改正によって、障害者福祉の現場に問題が発生している。現場では利用者の負担額が増額したことにより、障害者の施設利用を中止せざるを得ない状況となっている。また施設への補助金が減り、サービスの低下、施設の閉鎖から利用者の行き場がなくなる、という悪循環が生じ、同法の理念に逆行するとの問題がある。
 こうした問題点から、障害者総合福祉法という名の法律が出始めているが、障害者に対し、どのような法案をもって障害者に対し影響を及ぼすのかまだ決まっていないため、今後早急に体制を整備に努めていただきたい。

-障害者自立支援法による施設経営から〜障害福祉サービス事業所の課題〜-
 社会福祉法人春陽会 理事 中村 政子 氏

 千葉県内の施設入所待機者の現状では、定員の約2倍の数となっており、待機者へのサービスの充実が求められている。平成21年4月に報酬単価が見直され、5.1%増となったが、入所施設では、月に8日、年間96日間請求が許されていない現状がある。また職員を基準以上配置すると、報酬額が増額となるが、人件費とのバランスを見据えた経営をしなければならない。

-保育所の課題とこれから
  〜少子化と待機児童の相互する課題を捉え、これからを考える〜-
 社会福祉法人豊島福祉会 理事長 椎名 英夫 氏

 平成23年度から保育園の運営費は一般財源化となり、また児童手当は26,000円になることから、補助金が減るのではないか、または保護者負担額の増額が懸念されている。待機児童をゼロにする取り組みとして、認定こども園が法制化しているが、幼稚園と保育園を一緒にした施設への理解が進みにくいという実態もあり、対応しきれていない現状がある。

-高齢者福祉施設の現状と課題-
 社会福祉法人松栄会 理事長 梶原 栄治 氏

 経営資源には「人」、「モノ」、「金」、「情報」といわれているが、このことに「時間」、「地域」を追加したい。「時は金なり」という言葉のとおり時間を無駄にしてはならない。限られた時間を最大限有意義なものにしなければならない。また、地域福祉の推進にも目を向け、積極的に福祉サービスのみならず、地域に還元し、制度によらないネットワークづくりが必要と思われる。

-今後の社会福祉政策について〜社会福祉法人のあり方〜-
 東京女子医科大学・国際医療福祉大学大学院 教授 渡辺 俊介 氏

 日本の社会保障の現況(2007年度:2009年10月厚労省発表)では、総額 約91.4兆円となっている。内訳では、年金が全体の半数以上を占め、次いで医療の31.7%、福祉は15.5%となっている。福祉国家といわれるスウェーデンやデンマークは福祉の占める割合は40%を超え、いかに日本の福祉に対する費用が低いかがわかる。社会保障制度の再構築に必要なのは、負担と給付のバランス論のみでなく、給付をいかに有効に役立てるのか、福祉への資金は消費ではなく、投資するという考え方を取り入れた制度設計が必要であろう。
 日本の人口構成は高齢者人口が毎年増え続け、社会保障費は確実に増加する中、少子化が進むと一人当たりの税金や保険料の負担が増額となる。スウェーデンやデンマークの消費税は25%であり、日本の高負担は避けられない状況である。このような北欧諸国などは税金が高いが、国民一人当たりの貯蓄率は低く、老後の安心を保障していることが国民に浸透していることがわかる。日本の場合は、老後のために貯蓄をする傾向が強く、約1,400兆円もの額が貯蓄されている。
 社会福祉法人は今後、地域住民を巻き込んだ計画の作成し住民参加型で実践していくことが必要と思われる。そこには、介護福祉士、社会福祉士のみならず医療従事者等との関わりも必要であろう。その中で経営者は何を目指すのか、そしてそれを実現するためにどのような戦略が必要なのかを全職員にわかりやすく説明し、各職種がまい進している環境づくりが必要である。

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