朝8時半に東京駅に集合、新幹線で仙台まで移動、レンタカーにて2時間ほどかけ石巻市内に入りました。清掃・炊き出しの会場は元縫製工場です。この工場も今回の東日本大震災で床上2メートル近くまで浸水、工場機械等が使用できなくなり閉鎖を余儀なくされたとのことでした。
2チームに分かれ一チームは今後ボランティアの拠点として整備を予定している元工場内の清掃、一チームは炊き出しの準備を行いました。全国社会福祉法人経営青年会・有志の会のメンバーである富山県、岩手県、栃木県の方々と合流、富山県・白えびのかきあげ、栃木県・宇都宮餃子、岩手県・塩やきそばのブースが用意され、私たち千葉県のメンバーは各ブースで調理・配布のお手伝いをしました。
現地の方との会話で、被災地の“今”の状況を伺うことができました。『働きたいが生後5カ月の新生児を預ける保育園が流されてしまい預けるところがなく困っている』『家の修理が順番待ちで、しかもその費用が被災前の3倍になっている』といった、テレビでは伝わってこない生のお話です。感謝の言葉をかけていただき、また、会話の中で涙ぐまれる方もいらっしゃり、被災された方々の大変さを肌で感じました。
被災後引きこもりがちとなる住民の方も多いとのことで、実際に至るところから“久しぶり、元気だった?”という住民の方の声が聞かれました。炊き出しは被災者の方たちが家を出るきっかけになり地域の活性化のための有効な手段であるとのこと、今後の継続的な支援の必要性を感じました。
ホテルの研修会場で講演及びシンポジウムが行われました。
まず有志の会事務局・富山県青年経営者会・澤田和秀氏より『青年経営者会としての災害支援とは何か』とのテーマで講演をいただきました。澤田さんご自身の中越地震、阪神淡路大震災等におけるボランティア活動や今回の東日本大震災での対応についてご紹介いただき、富山県青年経営者会にて実施されている複数法人がスピーディーに支援を行うためのボランティア協定のご紹介や、県単位の組織でスピーディーに支援を実施していくことの重要性について提言をいただきました。
後半は、『社会福祉法人の災害時の現状とリスク管理』とのテーマで、災害対策特別委員・菊池俊則氏を司会、シンポジストとして被災三県(宮城・岩手・千葉)青年経営者会の方から、スライドやDVDにより生々しい被災時の様子やそれへの対応、今後の備えについて提言をいただきました。現地ボランティアコーディネーターであるライオンズクラブ・阿部様からも、自らが今後ボランティアセンターを整備し宿泊機能等を拡充し地域のコミュニティー再生に貢献したい、そのために今後も継続的な支援を期待したい、との熱意あふれるお話を聞かせていただきました。
被災後7カ月が経ち、ところどころ震災の爪痕は残りながらも街並みもきれいになり落ち着きを取り戻しているかのように見えます。しかしながら、地域コミュニティーとしての復興はまだまだであり今後も継続した支援が必要であるということをこの両日の研修を通して感じました。また、今回は東北地方で被害が大きくなりましたが、いつ同様に私たちの住む地域で発生するかは誰にもわからない、その際に被害を最小限に抑えサービス提供を存続させるためには今できる準備を確実にしておかなければならないということ、被害にあわれた方たちのためにも今回の被災での教訓を活かさなくてはならない、ということを改めて認識させていただく機会となりました。貴重な経験をさせていただきありがとうございました。
千葉県経営協青年部会 広報委員 山下