研修報告

平成24年度 千葉県社会福祉法人経営者協議会総会
第1回経営者セミナー 報告

平成23年6月15日(水)千葉県社会福祉法人経営者協議会の総会に引き続き、第1回経営者セミナーが開催されました。

セミナーでは、株式会社インターリスク総研 コンサルティング第一部ERMグループ上席コンサルタント 砂川直樹様を講師に招き、 福祉施設における危機管理の対策について~災害対策を中心に~というテーマでお話を頂きました。

概要は以下の通りです。

1.リスクマネジメントと危機管理について

リスクマネジメントとは「平常時の体制と緊急時の計画」をたてることである。
また、危機的状況を想定し対策をたてておく「危機管理」も必要である。

2.事業継続計画について

福祉施設が被災した場合、他業種と違いサービスを停止できない。
すなわち、災害時に事業を継続する為には、危機的状況を想定した事前準備が必須である。
被災時の福祉施設の役割は、利用者の安全確保、 事業の継続(その場で持ちこたえる、他へ避難)、地域への貢献の3点である。

3.災害に備えた体制の構築

 緊急時の対応体制(人的、物的)の整備、職員の招集方法(通信手段等)、 職員の行動基準の作成についてあらかじめ構築しておくことが必要。

4.災害に備えた事前対策

建物の立地条件を確認、耐震補強の促進、ライフラインが止まった場合の対策、衛生面の対策、 防災カード等を用いた利用者の安全確認、安全確保対策、職員の安否確認方法、職員に対するケア、 必要品の備蓄などの事前対策が必要。
備蓄については、最低3日間は自力で持ちこたえる量を確保すべき。
また、備蓄場所についても水没等に配慮して決定する必要がある。

5.地域連携、地域貢献

 長野県経営協、広島県経営協の取り組み事例の紹介。
非常災害時の地域連携については、近隣、遠方の法人と予め決め事をしておくことが大事。
非常災害時の地域貢献は社会福祉法人の重要な存在意義の一つであるが、 当然、自施設の利用者の保護が最優先であることを忘れてはならない。

おわりに

 非常災害時、特に災害直後は行政に頼ることが難しい状況が想定されることから、 最低限、災害発生後数日間について自力で事業を継続するための事前準備が必要である。 非常災害等のリスクに対してパーフェクトな準備を行うことは難しいが、 まず簡単に出来ることから準備を進めていくことが重要である。

参考文献 福祉施設経営における事業継続ガイドライン
(全国経営協hpよりダウンロード可)