千葉県社会福祉法人経営者協議会
社会福祉法人制度改革フォローアップセミナー(前期)

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千葉県社会福祉法人経営者協議会
社会福祉法人制度改革フォローアップセミナー(前期)
~要チェック!改正社会福祉法施行後の法人経営~

期日:平成29年8月31日
場所:ホテルポートプラザちば
講演:『要チェック!改正社会福祉法施行後の法人経営』
   全国社会福祉法人経営者協議会 制度・政策委員会 専門委員 菊池俊則氏
説明:『「知らない」では済まされない!指導監査ガイドライン徹底解説』
   全国社会福祉法人経営者協議会 全国社会福協議会法人振興部 佐藤潤一氏
報告:『社会福祉法人による公益的な取組』
   社会福祉法人修央会 本部長 石神敏明氏
   社会福祉法人八千代美香会 地域放流プラザブレーメン習志野 施設長 宍倉一麻氏

この度のセミナーは、平成29年4月1日に施行された改正社会福祉法の趣旨を改めて再確認し、より実効性のあるものにしていくようフォローアップを行うことを目的として開催されました。また具体的な実務に関して、新たに制定された「指導監査実施要綱」に基づく指導監査ガイドラインのポイントを解説して、引き続き制度改革に円滑に対応できるような内容も盛り込まれていました。千葉県社会福祉法人経営者協議会副会長 井上峰夫様より「平成29年4月1日の社会福祉法制度改正を前向きにとらえ社会福祉法人の意義を世間に発信する絶好の機会と捉えています。皆様が地域社会に更なる貢献をされることを祈念致します。」とのご挨拶の後、講演が始まりました。

講演「要チェック!改正社会福祉法施行後の法人経営」

始めに全国社会福祉法人経営者協議会制度・政策委員会の専門委員である菊池俊則様より、自法人の制度改正対応の状況も交えながら、社会福祉法人制度改革の背景と全体像の再確認の説明が行われました。特に印象に残ったのは「この度の制度改正により社会福祉法人は公益法人と同等の公益性を担保する法人となった。制度改正に合わせた法人議決機関や定款変更・社会福祉充実残額の算定の対応で制度改革はおわったのではなく、これから成果が問われる。これは、与党税制改正大綱において、「関連制度の見直しの動きもみられており、実効的な対応となるかどうか、動向をよく注視する。(平成28年度)」という表現が「関連制度の見直しが行われており、その効果をよく注視する。(平成29年度)」という表現に変わっている。社会福祉法人の課税議論について今回の制度改革の効果が問われる。法律に基づいて社会福祉法人が対応の結果を出さないと、社会福祉法人が要らないと世間が判断する可能性がある。」との説明です。地域における公益的な取組についての実施とその効果を私たちは注視されており、それに対応できなければ社会福祉法人としての存在意義が問われるということです。法人の成熟度合いにより取組の難易度は変りますが、責務として努力していく必要があると感じました。地域のニーズをキャッチするために相談窓口の設置や法人内でプロジェクトチームを作り対応に臨むなど、本来事業による専門性や既存の経営資源を活用し、出来ることから着実に取り組むことが求められるとのことです。また、全国経営協がおこなった「全国生活者1万人意識調査」では社会福祉法人に対するイメージとして「信頼できる、透明性が高い、経営が安定、明るい」といったポジティブなイメージが10%未満だったのに対し「問題が多い、閉鎖的、経営が不安定、暗い」といったネガティブなイメージは20%弱と、倍以上数値が高いという結果が出ています。これを「あらゆる方面への発信不足、生活者との接点不足、新たな福祉課題への対応不足」と原因認識し、各法人の実践をきちんと発信し、利用者・地域住民・関係機関といった様々なステークホルダーとの目指すべき関係構築に向けて戦略的に広報活動を展開するという部分に共感しました。

知らないでは済まされない!指導監査ガイドライン徹底解説

続いて、全国社会福祉協議会法人振興部の佐藤潤一様より、指導監査について、見直しの全体像の説明が行われました。これまでに指摘された課題として、監査事項に関して具体的な確認内容や指導監査の基準が示されていない・所轄庁の指導が地域により異なる規制や必要以上に厳しい規制の存在というものが一部で挙がっていました。地域の多様な福祉ニーズに対応していくためには、社会福祉法人の自主性・自律性を尊重する必要があり、指導監査もそれに沿ったものでなければなりません。見直しの基本的な考え方として、ガバナンスの強化による自主性・自律性を前提としたうえでローカルルールを是正し指導監査の効率化・重点化を図るよう、指導監査要綱の見直しと指導監査ガイドラインの作成が行われました。本セミナーで配布された関連資料集ver.2には、会員から寄せられた評議員会・理事会開催時の質問についての回答や厚生労働省が通達した「社会福祉法人に対する指導監査に関するQ&A」の内容が示されています。中でも、全国経営協制度・政策委員会、地域共生社会推進委員会で作成頂いた、「指導監査チェックポイント早見表」は、ガイドラインの要点をまとめてあり、実務の点検時にとても有効な資料です。今後全国経営協の会員ページにアップロードされる予定があります。

社会福祉法人による公益的な取組

全国経営協広報DVD『社会福祉法人ってなに?』の上映の後、社会福祉法人による公益的な取組の事例として2つの法人よりご報告がありました。 最初に「多法人共同による福祉人材定着の取り組み」として社会福祉法人修央会の法人本部長である石神敏明様より報告がありました。内容は生活困窮者などの本来の地域貢献事業ではないものの、船橋市内の多法人が共同で行った事業活動(介護力事例発表会in船橋・船橋市主催介護福祉の就活イベントPORT・施設合同運動会船リンピック2016)を通しての結果と効果の報告が行われました。「介護力事例発表会には行政の方も来場頂き、普段の社会福祉法人の取り組みをPRする良い機会となった。また、他法人の方と企画運営を進める経験を通じ、法人間のネットワークが強化され相談情報収集能力が強化されたと感じている。自分の施設だけではなく他の施設のことも考えられる法人が多い地域の方が、これからの人材難の中残って行くのではないか。」との報告がありました。地域における公益的な取組は、効率などの面からケースによっては複数の法人で取組むことも想定されますので、社会福祉法人が共同し補いあえる環境は今後の実施において明るい材料のひとつであると感じました。

続いて「ブレーメン習志野こども食堂」の取組について社会福祉法人八千代美香会 地域交流プラザ ブレーメン習志野の施設長である宍倉一麻様よりご報告がありました。こども食堂の事業は、貧困世帯の子供達や親御さんの手助けをしたいという目的のもと、平成28度より職員の発案で始まったそうです。初回・第2回の開催とも1時間で完売するなど、結果としては成功したものの、アンケートには一部の親御様のディナー会になっているのでは?等厳しいご意見も寄せられました。平成28年度に実施してみての感想や課題に「冬場の暗い時間帯の帰宅に対する子供たちの安全配慮・食事だけの提供になっており、困った時の居場所になって欲しい・職員だけでの運営の限界とボランティア等地域の力の必要性等」が挙がり、それらに真摯に向き合い2期目に取り組んでいるとのことでした。これからの課題として、「来場者を増やしたい・より多くの人に知って欲しい・回数を増やしたい・無料またはより安価に食事を提供したい」といった当初の目的をより深めたものに加え、「他のこども食堂との連携・世代間交流の機会を作りたい」といった法人の機能を活かした発展的な意見があげられ、着実に課題を解消し取組まれている姿勢に、事業の成功の予感を感じました。

セミナーを振り返り、各法人でのアプローチ方法は様々ですが、社会福祉法人の使命と経営理念に基づく自主的自律的な経営を確立し、多様な福祉実践を積み重ねていくことが必要であると感じました。研修会を企画していただいた役員・委員の皆さま、ありがとうございました。

社会福祉法人康和会
宍倉 健史

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