この度の研修は、人材不足に立ち向かう社会福祉法人の挑戦と題し、福祉人材の確保や定着が年々難しくなるなか、社会福祉法人が一体となって人材の確保・定着に向けて動くための採用方法や人材育成について講義を受ける事ができた。
人材確保はどの業界、業種に関わらず全体的に難しい状況であり、年々日本の人口減少している事が大きな原因となっている。特に福祉分野に関しては有効求人倍率が4.45倍(2017年)4社に1社しか採用できていない現状である。その中でも千葉県は有効求人倍率が9.06倍と全国でもワーストランキング4位という採用困難県と言われている。しかしながら求人者が0人ではない。採用できている法人もある。なぜその法人は採用できているのか?また、求職者は福祉分野にどのような思いや期待をして就職しているのか?と言う他の法人の取り組みや求職者側と事業者側の認識に大きなギャップが無いように計画し、法人全体で採用活動は取り組む必要がある事を講師の沓澤氏は述べていた。また、人材定着に関しては、人口が減っている中では採用は今後ますます難しくなる中で、離職率を下げる事が必要となる。その為に、現状の会社状況を把握する事は大事になってくる。離職の原因を調べ何が原因で離職していくのか?会社の処遇なのか?人間関係なのか?この原因が分からなければ離職は止められない。沓澤氏は大半の原因は一人の職員が他の職員に大きな影響を与えているケースが多いと言いう。その為、職員の「見極め」がとても重要になってくる。職員に課題があって解決できなければ組織は崩れる、職員の品質をそろえることは人材が定着するとともに収益を生む体制へ転換する道となると言われておりました。
採用に関しては、中途採用、新卒採用の2種類があり、採用の目的が違う事、それぞれの計画的な採用を検討する事が必要になる。採用から定着までのスッテプには全5つの工程があり、どこで法人が躓いているかを分析する事が大事になってくる。求職者は会社を選べる、比較できる現状であり、求人側は、誰でもどこでもあるような長所やあいまいな表現では採用に結び付かないため、他法人との比較や職場環境の整備等、法人の魅力はどこなのかを徹底分析をしていく事は今後の採用で必要な取り組みの一つである。また、定着している職員からの聞き取りで法人の強みを調べ、ホームページやパンフレットで紹介して法人の良い雰囲気づくりを目指すことも応募者の動機に繋げる事は出来る事は直ぐに取り入れられる方法手段である。このような細かい分析と計画と取り組みが今後の採用と定着に必要であり、自法人が知っている事・やっている事・出来ている事を正しく実施しているのか?やっているが効果が出ないのか?成果が出ているが「なぜ」成果が出来ているか不明といった事を分析して現状を把握する事はとても重要になってくると言っておりました。この時代の流れの早さに変化できる法人が勝ち残る。本当にそうだと感じました。この研修に参加し、福祉分野だけの問題ではなくどこも人材が不足しており、どこも人材確保に注力を注いでいる事を改めて実感したのと、採用には戦略が必要であり、事業存続のカギである事を念頭に今後の社会福祉法人の運営に生かしていきたいと思いました。
今回の研修では多くの事を学ばせて頂きました。ありがとうございました。
社会福祉法人 南生会
高坂 忍