地域に暮らす人々と一緒になって地域社会を活性化していく中で、そこに関わってくれた人々が喜んでくれること、地域住民が実現したいことを法人と一緒になって取り組むことなどをコミュニティデザインといい、山崎様が全国各地で取り組んできた内容について、お話しいただきました。
限られた時間の中で、北海道、秋田県、石川県、兵庫県の4つの地域をご紹介頂きました。それぞれの地域の特性に合わせて、課題を住民主体でワークショップを行い、美術館で先輩(高齢者)の楽しく生活していることを紹介する展覧会の開催やその地域を紹介する雑誌の発行、地域住民と一緒になって建設をした病院、寺カフェの開催などを実践されました。
全ては地域住民が主体的になることが重要であり、そこには「正しさ」だけで進めるのではなく、「楽しさ」という感性をくすぐることも長続きすることができる要因でもあります。
地域共生社会では、法人が地域に対し行っていることと、地域が法人に対しやってもらいたいことにズレが生じているかも知れないことも認識することが必要なため、地域住民がその地域でやりたいことを徹底的に聴くことが重要です。社会福祉法人として地域に根差したサービスを提供するためのヒントをより深く学ぶことができました。
冒頭、鶴岡優子 様から
高齢化社会において『地域包括ケア』が真に求められる事は何か?
『医療と介護の連携・統合、他職種・他施設との連携』の必要性と重要性に対し、どのように向き合っていくか?
を医学的視点から在宅について、ご自身の取り組み等の事例をふまえて、お話しいただきました。
続いて、鶴岡 浩樹 様より
医療従事者の立場からみた福祉として、以下のようなお話がありました。
今までは、医学の目的は疾患の治療・治癒が目標であったが治療の過程、その先にあるQOLの維持向上や支援が目標という時代となり、医学優位という時代ではなくなってきた。
昨今、『地域包括ケア』のニーズが高まる中で、それらに応えるたには
・地域の社会資源活用
・保健、医療、福祉の連携と統合
といった、他職種連携が必要不可欠であり、それらを円滑に進める為に関わる個々の専門家が独立独歩でなく、専門家の垣根を超えた各職種の専門性を遺憾なく発揮できるための協働学習・人材育成の大切さをお話してくださいました。
本講演で社会福祉法人が提供する保育・障がい・高齢者等のサービスの在り方に通じる事であり、日々の提供サービスや法人の在り方を学べる貴重な講演でした。
総会2日目は、宇都宮市長である佐藤栄一様による『宇都宮市の現状と今後の課題』とこれからの取組みについてのお話でした。
講演タイトルでもある『持続発展を目指した街づくり』に対する佐藤市長の思い、そして宇都宮市に限定された事でなく栃木県の発展や全国の各自治体への思いや取組みについて話されました。
本講演では、自治体が提供するサービスの質の向上と量の拡大に福祉事業は必要不可欠であり、社会福祉法人だからこそできる事や期待されている事を学び、改めて考えさせられる貴重な講演でした。