「LIFO理論」とは、自己の強み・スタイルを発見・啓発するためのプログラムであり、「自己理解」を通じて周囲の人々に影響力を発揮することを目的とした理論です。個人を4つの行動スタイル(基本的行動)に分類し、その特徴・志向や長所・短所などを分析したうえで、集団組織での役割・他者への効果的な働きかけを認識することで、個に焦点を当てつつも円滑な人間関係の構築を通じた組織運営の発展を行おうとするもので、組織運営に携わることもある若手管理職員の私にとって大変興味深い内容の講義でした。
いくつかの質問から成る自己診断によって行動スタイルが判別でき、自分の特徴や他者に抱かれる印象、平常時とストレス時の思考の違いなどが分析され、自分でも思ってもいなかった自分に気づかされることが多々ありました。また、自己診断を同僚や上司・部下などに当てはめ、周囲の人の行動スタイルに応じた働きかけを学ぶ講義では、「同じことを伝える時でも、ある人には事実やデータの分析を示す方法で、ある人には軽快な調子で人間的な魅力を示す方法で」というように、人に応じた働きかけが円滑なコミュニケーションに肝要なこと、このような働きかけを選択できることが組織に求められるリーダーシップであることを考えさせられました。
「LIFO理論」は、個の能力を引き出し集団を活性化していくという「個→集団」のアプローチです。私は管理職員になってから、事業所や法人の体制や制度のことばかり考えるようになって、「集団→個」一辺倒だったような気がします。帰り道で、「あの人はAタイプだからこういう言い方が有効かな」「あの人はBタイプに見えて実はCタイプなのかな」と同僚のことばかり自然と考えていたのはこの講義を受講したからだと思います。職員ひとりひとりに目を向けることが組織運営の原点であることを再認識した研修でした。
社会福祉法人 穏寿会
武村 章一郎