今回の研修は、教育現場で長くご活躍され、多くの生徒さんと関わって来られた佐藤先生を講師として招聘し『教育現場から知る人材の変化』についてご講義いただきました。
前半は講義形式で『今どきの学校事情』として、社会変化に対応し生き抜くために必要な資質・能力を備えた子供達を育むために文科省が定めた教育課程の基準である『学習指導要領』の変遷について時代の流れに沿ってご説明がありました。『学校を取り巻く環境の変化』では、いじめや引きこもり、学習意欲の低下、性的マイノリティー、経済格差などの教育現場での諸課題を、不登校・自殺者数の話では、教育では力が及ばない課題が沢山あるとご説明をいただきました。
また、昔の生徒と比べ今の生徒は先生に対する認識が変化していることや、タブレットの画面を学校でも自宅でも見る生活になっていること、そして今の若者の傾向は、傷つきやすく折れやすいため褒めて育てる必要があることの話がありました。注意する場面も皆の前で指導する昔のスタイルでは通用しない、面前ではなく陰で指導するといった話しや、信念を持っている生徒は強い、夢を持つことが大事など、佐藤先生の熱い気持ちが溢れ予定していた時間では足りない講義内容でした。
その他にも人望の厚い人と無い人の特徴や、上に立つ者こそ夢と理想をきちんと持つこと、3H(Cool head, Warm heart, Clean hands)“冷静な頭脳と、温かい心と、きれいな手”が大切だ!などのお話しは、自分自身を振り返る機会にもなり大変勉強になりました。
後半はグループに分かれ①「新卒者と接するにあたっての心構え」、②「魅力ある選ばれる施設づくり」の二つのテーマについて議論しました。話し合った内容は各グループから発表され、先生にはご講評もいただき大変参考なりました。
人材確保が難しい昨今、入職拡大・定着促進のためには職場としての魅力を高めていくことが必要です。特に将来の担い手になる学生を取り巻く状況や課題を今回知ることができ、今後世代による考え方の違いや常識などこちら側の意識改革が必要であることを考えさせられた研修内容でした。
社会福祉法人創明会
星 雅也