会員の皆様に地域の魅力ある法人をご紹介する人気企画「突撃!となりの昼ごはん」。 今回は、船橋市にある社会福祉法人康和会(特別養護老人ホーム オレンジガーデン)様に訪問しました。
康和会の宍倉施設長(青年部会 総務広報委員長)に温かく迎えられ、美味しい食事とともに、経営の苦労、地域連携の温かさ、そして時代に即した驚きの「働き方改革」についてたっぷりとお話を伺いました。


東葉高速鉄道の駅から徒歩圏内という、福祉施設としては非常に恵まれた立地にある「オレンジガーデン」。施設に近づくと、青空に鮮色の瓦屋根が目を引きます。
面会に訪れるご家族にとっても大変通いやすい環境であり、地域に溶け込んだ温かみのある外観が訪れる人を優しく出迎えてくれます。


撮影タイムを経てテーブルに運ばれた本日の昼食は、なんと特製「うなぎ丼」! ふっくらとした身と香ばしいタレの香りに、取材陣からも大きな歓声が上がりました。和やかな会食の場ですが、話題は自然と「福祉施設における『食』の経営課題」へ。昨今の食材費や米価格の高騰、人件費上昇に伴う給食委託会社からの価格改定交渉など、各法人が直面しているリアルな悩みについて活発な意見交換が行われました。
食を巡る経営者の本音 「委託費や管理費への転嫁要請が増える中、いかに品質と栄養バランスを維持し、利用者様の満足度を守るか。自法人だけで抱え込まず、他法人の事例や相場感を共有し合えるこのネットワークが本当にありがたい」との声が上がりました。

介護保険制度が施行された平成12年頃に開設された康和会。しかし、宍倉施設長が就任した当時は、決して順風満帆ではありませんでした。事業継承や引き継ぎの不備により、管理者や職員の退職が相次ぎ、書類整理もままならない「荒れた時期」を経験。「当時は連日午前さままで残り、過去の書類を見返しながら手探りで行政対応や制度を猛勉強した」と宍倉施設長は振り返ります。
「経営陣が現場や経理、行政手続きの実務を把握していないと、本当の意味での職場改善や適切な判断はできない」——その強い危機感から自ら現場で汗を流し続けた結果、職員との信頼関係が徐々に構築されていきました。現在では、全体の職員数約90〜95名のうち、20年選手が約8名、12年以上のベテランが33名も在籍。開設初期の混迷期を乗り越え、驚異的な定着率を誇る組織へと変貌を遂げました。


船橋市内の特別養護老人ホームや老施協(老人福祉施設協議会)との繋がりについて尋ねると、そこには「地域一体となった温かい助け合いの文化」がありました。
「一法人の敷地内だけで完結させるのではなく、困った時に『大丈夫?』と声を掛け合える関係があるからこそ、孤独にならずに経営を続けられる」と宍倉施設長は語ります。


取材陣が最も感銘を受けたのが、康和会のスーパーホワイトな労働環境です。数値データの裏側には、緻密で思いやりのある現場の工夫がありました。
| 項目 | 康和会の実績と特徴 |
|---|---|
| 月平均所定外労働(残業) | 4.6時間(全職員の平均値) |
| 有給休暇消化率 |
96.1%(16.2日)
非常に高水準(当年度付与分を積極的に消費)
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| 離職率 (パート職員含む) |
4.5%(9.2%)
10年〜20年超のベテラン層が多数定着
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週末の人手不足時、単に外部の単発バイトだけに頼るのではなく、「自法人の他部署で働ける職員が、週40時間枠内で残業・ヘルプとして入る」仕組みを構築。顔馴染みのスタッフがサポートに入るため安全性が高く、職員側にとっても収入面・経験面でメリットとなっています。
デイサービス等の会議は、全員を集めて長時間行うスタイルを廃止。16:30〜17:20 などのスキマ時間にコンパクトに開催し、パート職員を含め定時近くで帰れる風土を定着させています。
「どの職種・部署に残業が偏っているか」を毎月可視化し、業務の偏りを早期に解消。ダラダラ残業やサービス残業を徹底的に排除しています。


康和会には、「一度退職して他法人で働いたものの、『やっぱりオレンジガーデンが良い』と言って戻ってきた職員」が複数名いるそうです。他施設を経験したからこそわかる、「業務マニュアルや手順が整理されていること」「無理な残業がなく、お互いに助け合う風土があること」のありがたさ。外からの客観的な評価が、職場の誇りをさらに高めています。


宍倉施設長の言葉 「経営者が偉そうにするのではなく、現場で頑張ってくれている職員に感謝し、働きやすい環境を整えること。いい職員が集まってくれているからこそ、今の康和会があります。これからも地域の仲間と共に、職員と利用者様の笑顔を守っていきたいですね」
美味しい食事とともに、経営の苦労、地域連携の温かさ、そして時代に即した働き方改革のヒントをたっぷり学ぶことができた、素晴らしい取材となりました!